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最高裁判所第二小法廷 昭和26年(あ)2997号 判決 1953年8月07日

主文

第一審並びに原審各判決中被告人奥山一、同山田藤吉、同田中英八、同芦沢寅雄に関する部分を破棄する。

本件を横浜地方裁判所に差戻す。

理由

東京高等検察庁検事長佐藤博の上告受理申立の理由について。

いわゆる進駐軍用物資のガソリンであっても、石油製品配給規則による統制の対象となるものであることは既に当裁判所の判例の示すところである(昭和二六年(あ)第一七二一号同二七年一一月一八日第三小法廷判決、同二六年(れ)第一七四二号同二七年一二月一八日第一小法廷判決)。従って、本件ガソリンについて同規則の適用のないものとして、被告人奥山一、同山田藤吉、同田中英八、同芦沢寅雄に対して無罪の言渡をした第一審判決並びに、右見解を支持して同被告人等に対する検察官の控訴を棄却した原判決はこの点において違法であって破棄を免れないものというべきである。

よって、刑訴四〇六条、四一四条、三九七条、四一三条により全裁判官一致の意見により主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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